ブータンの交通事情(全般)
ブータンには鉄道はなく、空港は1つしかありません。つまり国内航空路線もありません。(あり得ません。) 国内の交通はおもに道路=自動車です。
バス・タクシー・自家用車が生活の足で、国外へ出るには飛行機か自家用車が一般的です。
リキシャやスリーウィラー(ベビータクシー=三輪自動車)は存在しません。
仮にあったとしてもこの国の地理的条件には適合しないと思われます。
- 道路
- おもな道路はティンプー-プンツォリン、チュゾム-パロ、ティンプー(シムトカ)-タシガン、ロベサ-プナカ、タシガン-サンドロップジョンカ、
ウォンディフォダン-チラン(ダンフ)-サルパン-ゲレフ、トンサ-ゲレフなどです。これらの道路はだいたい舗装されていますが、
崖崩れの多い場所では舗装をあきらめているという話もあります。
- ガサを除くゾンカックアドミニストレーション(県庁)所在地は自動車道路が通じています。
- ブータンの自家用車など
ブータンでガリ(ネパール語で「車」)と言えばまずは日本のスズキとインド政府の合弁会社マルチ(MURUTI)の車たちです。一般の(?)ブータン人の生活の足で、
タクシーにも使われています。(ただし、真の「庶民の足」と呼べる乗り物はスクーターでしょう。2人乗りは当たり前、家族3〜4人ででも乗れてしまいます。)
日本車はブータンでも大人気です。救急車は LAND CRUISER で、"ODA from JAPAN"のステッカーが貼られたものも少なくありません。消防車は日本からの中古車が多いようで、
「○○消防署」や「○○分団」といった日本語の文字が残っているものがたくさんあります。また、ロイヤルファミリー、旅行会社、政府省庁や民間企業、
そして上流階級の個人でも日本車を所有していることが多いようです。政府官庁では後部に幌を取り付けられるタイプの5人乗り HILUX が多く使われています。
また、日本なら廃車になっているような車でも元気に走っています。最近は日本車よりも安くて見た目がいい韓国車(ヒュンダイなど)も売れているようです。
救急車(ランドクルーザー)
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消防車
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ピカピカの LAND CRUISER や警察車両が2台以上連なってきた場合は注意が必要です。国王陛下、同妃殿下などが乗られている場合が多いです。歩いているときに
出会ってしまったら直立不動で目線を下に向けて直接見ないようにする、車に乗っているときに出会ってしまったら車を端に寄せて直接見ないようにじっとしているのが
礼儀とされているそうです。
皇太子殿下のランドクルーザー
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皇太子殿下のランドクルーザーの後ろ姿
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- ブータンのトラック
ブータンの物流を担うのがこの TATAトラックです。見るからに乗り心地の悪そうなトラックです(実際その通り)。ヘッドライトの上には目が描かれているのが一般的で、
ドアにはなぜか飛行機の絵が描かれていることが多いです。"ROAD KING"などとも書かれている強気のトラックもいますが、仏教関係の絵が描かれているトラックも少なくなく、
見るのも楽しいです。また、"ALL BHUTAN ASSAM BENGAL"とも書かれていることが多いです。
荷台横には"PUBLIC CARRIER"、"GOODS CARRIER"、"PRIVATE CARRIER"などと書かれていることが一般的ですが、中には"TASHI DELEK CARRIER"
(<「タシデレ」とはあなたが幸運に恵まれますように、という意味です。)というおめでたい(?)トラックもあるようです。
バスやトラックなどの後ろには"Blow Horn"(<「クラクションを鳴らせ」)と書かれています。書いてあるとおり、後続の車が追い抜きたいときはガンガン情け容赦なく(?)
クラクションを鳴らします。大型車がなかなか道路を譲ってくれないことも多い日本とは大きな違いです。ブータンで車を運転することはまずないとは思いますが、
もし運転されることがあればこのように落っこちないようにくれぐれも安全運転、特にスピードの出し過ぎのないように、そして路側を見誤らないようにご注意ください。
免許不携帯と飲酒運転はNu.1,200(3,000円)の罰金だそうです。
TATAトラック(1)
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TATAトラック(2)
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転落したDCM(と思われ)トラック
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TATAトラックの車軸
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