任国でパソコンを使用するには
- はじめに
本当にパソコンやインターネットは必要なものでしょうか? 購入にかかる費用、故障に伴うリスク、盗難に遭うリスクを考えるとWEBメールのアカウントを取得しておいて、
現地でインターネットカフェやだれかのパソコンからメールをチェックする、ワープロなどとして使いたいときにもだれかにパソコンを借りる、といった方法もあります。
一般に電圧・電話回線・プロバイダなどの環境も含めて任国でのパソコンの使用やインターネットへの接続には困難が伴うことが想定されます。
日本で使用する場合以上に「自己責任」となる部分が大きくなります。そのあたりも含めて任国にパソコンを持参するかどうかを決めていただきいたいと思います。
なお、個々の国に関しての問題や現地調達の可否などの情報は各自で収集してくださいますようお願いいたします。
任国情報の資料や任国事情の講義を通じて現地の生の情報をつかむのがいちばんよい方法です。
- 保証の問題
一般に日本で購入したパソコンは海外では保証の対象外となっています。また、海外でも保証されている場合においても国が限定されている場合があります。
今のうちに保証内容や問い合わせ先、修理拠点などを確認しておきましょう。
仮に任国が保証対象国となっていても修理拠点までの距離や修理に要する日数を考えると保証制度を利用した修理は現実的でない場合もあります。
- 修復を試みる際に必要となるもの
- パソコンの調子が悪いときの修復の最後の、そして常套の手段は「ハードディスクの中身を購入したときの状態に戻す」ことです。
自分で作成したデータなどは消えてしまいますので最後の手段ではありますが、購入したときの状態に戻すと正常に動作することも多々あります。
- 一般に購入時には「バックアップCD-ROM」が付属しているはずです。Windowsのバージョンによっては「起動ディスク」(FD)が必要な場合もあります。
また、マニュアルもあったほうが確実です。マニュアルのどこかに必ずといっていいほど購入時の状態に戻す方法が記載されていますので、
そのページを確認し、そのために必要なものは全て任国に持参しましょう。
- 周辺機器についても同様です。購入時に付属していたFDやCD-ROM、そしてマニュアルは持参しましょう。
- 消耗品の問題
プリンタのインクカートリッジはメーカーによっては入手が困難な場合があります。
プリンタを持参される場合は自分のプリンタのインクカートリッジは任国では入手可能なのかを必ず確認しておきましょう。
また、その他の消耗品(FD,CD-R,MO,Zip,メモリカード,用紙など)についても確認が必要です。特にMOは要注意です。
- 電源の問題
- コンセントの形状が異なる場合がほとんどです。任国のコンセントの形状に合った変換アダプタを用意することで解決します。
- 電圧も異なります。日本では100Vですが220-240Vの場合が多いです。この問題は変圧器を用意することで解決できます。
ただし、ノートパソコン付属のACアダプターは100V〜240Vの入力電圧に対応する場合がほとんどです。
その場合は変圧器を使用せずにACアダプタをそのまま使用することができます。
- ただし、電源コードは125Vまでの対応の場合がほとんどです。従って240Vの電圧をかけて煙が出ても当然保証の対象外です。
実際には問題はないようですが気になる場合は電源コードを取り替えられるとよいと思います。
- 国によっては電圧が大きく変化する場合があります。
ノートパソコンの場合はバッテリーを搭載していますので瞬間的な電圧低下についてはあまり神経質になることはないと思いますが、
逆に高電圧がかかるとACアダプタやパソコンを壊す可能性があります。
この問題はスタビライザー(電圧安定器)を用意することで解決します。ただしスタビライザーごと壊れたという事例もあります。
- この電源の問題は日本から持参する一般の家電製品についても同様に当てはまります。現地で購入できる家電製品は現地で購入したほうが無難でしょう。
- 変換アダプタは400円前後から、変圧器は7,000円前後から(大電流に対応するものほど高い)あります。
- パソコンを現地購入した場合の問題
- ハードウェアは日本で購入するものと機能的には同じと考えて差し支えないでしょう。
- ソフトウェア(Windowsも含む)は日本語ではありません。日本語のフォントも標準では搭載されていませんのでそのままの状態では日本語を表示するなどすることはできません。
(<日本語のフォントをインストールする、あるいは日本語版のWindowsにインストールし直せば扱うことが可能となります。)
- マニュアルなども当然日本語ではありませんのでその点でも苦労することも多いと思います。
- プリンタなどの周辺機器を現地購入した場合の問題
- プリンタドライバなどのソフトウェアが日本語ではありません。
- プリンタが日本語フォントを搭載していない場合でも、パソコン本体に搭載しているフォントを使用するように設定すれば印刷することは可能です。
ただし、プリンタに搭載しているフォントを使用する場合に比べて若干印刷速度が落ちるようです。
- コンピュータウイルス対策
- コンピュータウイルスとは「悪いことをするプログラム」のことです。具体的には勝手に人のパソコンのハードディスクの内容を消す・書き換える、
電子メールソフトのアドレス帳に登録されているメールアドレス宛に勝手にメールを出す、などをします。
- 感染経路としては電子メールに添付されるプログラム(本文を読んだだけでは感染しないとされています)、
他の方から渡された(電子メールを含む)WordやExcelのデータファイルに含まれるマクロが考えられています。
ただし最近ではホームページを見ただけで見た人のパソコンに感染するという強力なウイルスが報告されています。
- ウイルス対策にはこうした感染経路を知ることも重要ですが、ウイルス対策ソフトを使用することでより確実に対策が可能となります。
ウイルス対策ソフトには既知のウイルスに関する情報が登録されています。ハードディスクなどを検索してウイルスを発見すると駆除(削除)する機能があります。
- ただしあくまでも既知のウイルスのみです。新種のウイルスが発見された場合はその情報を追加する必要があります。この処理のことをアップデート(更新)といいます。
アップデートはソフトウェアメーカーのウエブサイト(ホームページ)でするのが一般的な方法とされています。こまめにアップデートすることが重要です。