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避寒のプンツォリンゆき [12th-14th January 2002]
1st Visit to Phuentsholing for Wintering



 ティンプー(Thimphu)から国道(National Highway)を南へ下ること7時間、172kmでインド国境の街、プンツォリン(Phuntsholing)へ行くことができます。 ティンプーの標高は2,400mですがプンツォリンの標高はわずか200mほどで亜熱帯気候、この時期なら避寒に最適です。そして何よりインド国境の街だけあって物価も安いのです。 ということで避寒と買い出しをかねてお出かけしてみることにしました。外国人はティンプーとパロ以外へ移動するためには内務省(Ministry of Home Affairs) へ申請して入域許可証(Road Permit)を取得しなければなりません。

 そして次は交通手段です。行きは安いバス、帰りは買った物を運ぶのにタクシー、でもあまり買い物をしなければバスで、ということにしました。 ブータンの長距離はバスは基本的には「座席指定制」で発売日は前日の朝らしく、しかも避寒シーズンの3連休の初日ということで自信がなかったのですが、 やはり売り切れということになっていました。結局は当日の朝に「1人なんだけどだめぇ?」と言ってみると「1人だったら大丈夫だよ」と11:30発のバスの"Staff Seat" (<運転席の横の乗り心地&景色良好シート)をゲトーできました。車種はトヨタのコースター(COASTER)でお値段はNu.154(420円)でした。

 同じ区間でもバスの車種によってお値段は異なります。また、バス会社によっても異なることがあります。ティンプーとプンツォリンの間の場合、 乗り心地のよい順で"COASTER"(MINI DELUXE)(Nu.155くらい)、"Mini BUS"(Nu.115くらい)、"Ordinary BUS"(Nu.80)の3種類があります。 (タクシーの料金の相場はNu.350(950円)/人です。)  おおむね07:00から昼過ぎの間に30分から1時間おきに発車、途中のチュカ(Chhukha)あたりで昼食をとって所要時間7時間で目的地に到着というダイヤになっています。 ただ、予約・購入のカウンターはバス会社別なのでお目当てのバスが満席の場合などは他のカウンターに「空いてる?」と聞いて回らなければなりません。

KUENGA TRAVELS Bus for P/Ling KUENGA TRAVELS のバス Bus Ticket for P/Ling バスのきっぷ


 さて、01/12の11:30に発車したバスですが、今更驚かない曲がりくねった崖の上の山道を走ること約2時間半ほどでランチタイムとなりました。 バスによって止まるレストランはある程度決まっているようです。オーダーしてから1時間待ちも珍しくもないブータンにしては珍しく、 オーダーするとすぐに出てくるまさに「ファストフード」です。メニューはカレーで、「チキンかポークか?」くらいの選択しかできません^^;。 お値段はNu.50かNu.60くらい(140円〜170円)とブータン人にとってはやや高価なせいか、昼食を食べないブータンの人も少なくはないようでした。

 全員がバスに戻るとバスは発車します。途中、チュカの手前、チュカの集落の出口とプンツォリンの入口のカルバンディ(Kharbandi)にチェックポストがあります。 外国人はここで入域許可証をチェックしてもらわなければなりません。バスは通路まで荷物がぎっしりで降りるのがめんどくさいですが、日本人の場合、 民族衣装の「ゴ」あるいは「キラ」を着ていない限り外国人なのはバレバレなので、ブータン人も降りるのに協力してくれます。

 チェックといっても大したものではなく"Going down ?" "Yes, to P/Ling"か、"Going up?" "Yes, to Thimphu"で終わりです。スタンプを押してもらって 日付とサインを書いてもらっておしまいです。上り(プンツォリン→ティンプー)の場合はIDカード(ブータンに住んでいる外国人は持っています)も見せる必要があることが 多いようです。

 チュカのチェックポストまでで約3時間、距離の上では半分以上ですがこの先の道がかなり悪く、時間の上ではまだ半分弱です。そろそろ疲れてきたなぁ・・・ と感じだしたあたり、プンツォリンまで残り70km弱の山の中(この国はどこでも山の中ですが)で、「はっ!」と思わせる看板がありました。いきなり "DONATE YOUR BLOOD"(献血しる!)です。え、こんなところで献血できる場所があるの? いや、こんなところに献血ルームなんぞあるわけが・・・。 そんな感じで初めてプンツォリンへ行ったときには幻かと思ったのですが、2回目のときによーくチェックしてみると

 "DON'T DONATE YOUR BLOOD ON THE ROAD" (道路に献血するな!)
 "DONATE YOUR BLOOD TO BLOOD BANK" (Blood Bank に献血しる!)

といったことが書いてありました。

 チュカを過ぎると「これが物流の大動脈?」と疑いたくなる道路が目立つようになります。カルバンディのチェックポストの1時間ほど手前からようやくベンガル(Bengal) 平野や街が見えてきますがこれはプンツォリンではなくプンツォリンと国境を接しているインドの街、ジャイガオン(Jaigaon)です。 プンツォリンは小さすぎて山の陰に入ってしまい見えないそうです。カルバンディを過ぎてさらに下ること約5kmほどでようやくプンツォリンの街に入ります。 市街地で降りることも可能ですが黙っているとバスターミナルまで連れて行かれます。

Bengal Plain インドだー! Campaign for Prevention AIDS AIDS予防キャンペーン看板


 さて、プンツォリンといえば極めて個性的な国境を語らないわけにはいきません。ゲートはいちおうありますがインドのオートリキシャ以外、 車も人も事実上ノーチェックで国境を行き来することができます。ゲートに警察官はいますが普段は特別な仕事はないようで、いわゆる「イミグレ」もありません。 (<カルバンディのチェックポストが「イミグレ」です。) 人はもちろんのこと、車もノンストップで出入りしています。さすがにインドからブータンに入ってきた、 10人も乗っていた普通の乗用車は警察官に止められていましたが・・・^^;。また、ゲートの部分以外は幅1mほどの溝が国境となっていて、 人々は国境のドブに渡してある板の上を歩いて自由に行き来しています。何人かの警察官が立っていましたが行き来する分には事実上何も問題はないようです。 (協力隊員はインドに入ると無断任国外旅行となってしまい処分の対象となります。)

Phuntsholing Gate プンツォリンゲート
(ゲートの向こう側がインドです。)
Border ? ドブ国境
(溝の向こう側がインドです。)


 01/13は結局自分のものはほとんど買わずに、頼まれていたビデオデッキを買って、あとは周辺(?)を散策しました。 市街地にあるサンドペルリ寺院(Zangd Perli Lhakhang)、5km歩いてカルバンディのチェックポストなどへ行きました。真冬のはずの1月ですが汗ばむ陽気でした。

   大した買い物はしなかったのでタクシーを使うほどでも、そんなわけで帰りもバスにしました。プンツォリン 01/14 11:00発の LeksolTransport Service の MINI Bus でお値段は115Nuでした。プンツォリンのバスターミナルは竹を編んだかごのような壁が印象的な建物とただの空き地という感じです。

Zangd Perli Lhakhang サンドペルリ寺院 Zangd Perli Lhakhang の庭 サンドペルリ寺院の庭
Building(?) of Phuntsholing Bus Terminal バスターミナルの建物 Phuntsholing Bus Terminal (1) プンツォリンバスターミナル(その1)
Phuntsholing Bus Terminal (2) プンツォリンバスターミナル(その2) Phuntsholing Bus Terminal (3) プンツォリンバスターミナル(その3)


 帰りは来た道と全く同じです。(それしか道路がありません。) 途中で30分前のバス(<写真「プンツォリンバスターミナル(その1)」の左から3台目のバス) が故障してその修理を助けたりといったハプニングがあってティンプーへ戻ってきたのは19:30過ぎでした。やぱーり、バスは COASTER がいいですね、 MINI Bus はちょっと疲れました。(<8時間も乗れば何に乗っても疲れますが・・・^^;。)



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