International Volunteer Orientation Programme [10th-21st December 2001]
12/05にブータンに着きましたが、すみかが決まるまでの間は隊員連絡所(通称「ドミトリー」あるいは「ドミ」)で生活することになります。
自分は2001/12/05からすみかに引っ越しする2002/02中旬まで隊員連絡所に住んでいましたが、もともと乾燥した時期である上に暖房をふんだんにつけているせいもあってか、
風邪の回し合い状態でした^^;。ということはさておき、世界中で最も質素な隊員連絡所らしいブータンドミは「山小屋ドミ」とも称され、
床も壁も板張りの素敵な作りとなっています。写真でネパールの「御殿ドミ」を見たことがありますが、
やはりブータンは「山小屋ドミ」と呼ぶにふさわしい味のある存在であることがわかりました(^^)。
男女別相部屋の寝室(男性隊員室は10畳ほどの広さで2段ベッド×3と普通のベッド×2)といくつかの部屋、キッチンなどからなります。
2年間では読み切れない量の文庫本や日本のテレビ番組を録画したビデオもあります。テレビはケーブルテレビにも加入しているおかげでNHKの一部の番組(ニュースなど)
の視聴が可能ですが、残念ながら2001年の年末の「紅白歌合戦」の時間は「クローズアップ現代」の再放送をやっていました。
(<が、「ゆく年くる年」は見ることができました。)
ブータン到着後数日間はJICAブータン駐在員事務所主催のオリエンテーションでした。この期間中にブータン唯一のプロバイダ、
Druknet (<Bhutan Telecom の一サービスです。)との契約もしました。日本語版のOSがインストールされたマシンでもサクサクと設定してしまう Druknet
のカウンターのお兄さんに「ザイー・・・」でしたが、どう設定するのかの情報をくれない、おまけに自分のPCの設定は間違っていたなどの問題^^;もありました。
これで設定費用500Nuも取るのか!と小一時間問いつめたかったのです^^;。
さて、ブータンJOCVは赴任後にブータン政府主催の International Volunteer Orientation Programme に参加します。
JOCVのみならず各国からの外国人ボランティアを対象としているものですが、今回は幸か不幸か日本人だけでした。「日本人は英語が苦手だから」
と講師の方が話すペースを押さえてくださるというメリットもありますが、外国人の知り合いができないという諸刃の剣です。
会場はティンプー(Thimphu)郊外のシムトカ(Semtokha)にある RIM (Royal Institute of Managenet=王立経営専門学校)、期間は約2週間、今回は12/10から12/21でした。
ブータン式のオープニングセレモニーに始まり、重厚な雰囲気で何をすればいいのかよくわかりませんが、JICAブータン駐在員事務所の調整員の方の「出された物は受け取って、
食べたくなければ食べなくてもいいし、食べたければ食べてもいい」とのお言葉を信じて興味津々で参列しました。出された物は赤飯、スープ
(<歯ごたえがするめに似たものが入っていました)、ドマ(<ブータン人が好む嗜好品で噛むもの)、さとうきび、オレンジ、バナナ、りんご、くるみ、チョコレート、
5Nu(約13円)札などでした。
1日のスケジュールは09:00から始まり、午前中に2つの講義、その間に Coffee Break、13:00-14:00が Lunch Break、そして午後が講義あるいは見学などで
16:00まで、ブータンの政治・経済・文化などを幅広く学ぶことができました。Coffee Break にはおいしいお菓子・軽食が、
そして外国人向けに辛さを少しだけセーブした昼食も付いてくるなどなど至れり尽くせりの内容でした。
また、このオリエンテーション期間中にブータン唯一の新聞"KUENSEL"と放送局"BBS"の取材を受けました。
"KUENSEL"は次の隊次、平成13年度第3次隊の派遣前訓練の期間中に駒ヶ根訓練所の掲示板にも掲示されてしたそうです。また、BBS
ではオープニングセレモニーの様子や、講義の様子などが紹介されていました。
(<単語の意味がわからずに必死に電子手帳で調べている自分の様子も・・・^^;。)
私事ですが歯が急に痛くなってかなり苦しみました。正露丸でうまくごまかしてなんとか乗り切りました。(その後にもなぜか再発していません。
ストレスが原因だったのでしょうか?)
RIM(駐車場から撮影)
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RIM(中庭から撮影)
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RIM(オリエンテーション会場)
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部屋に飾られた国王陛下の写真
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また期間中の土曜日、12/15にはピクニックと称してティンプーから約3時間のチュカ(Chhukha)の水力発電所への社会見学もありました。336MWの出力を誇り、
発電された電力はインドへ輸出されていて、その収入はブータンにとって貴重な外貨収入となっているそうです。見学に際しては入り口で厳重なセキュリティチェック
(もちろんカメラは持ち込み厳禁)がありました。夏は4基の発電器をフル稼働させているそうですが、需要の比較的少ない冬は2基が定期点検中で、
その止まっているタービンの上にも乗せていただいて説明を聞くことができました。ブータンに3基しかないらしいエレベーター(階段を歩いたほうが早いくらいのスピードですが)
にも乗せていただきました。(<ちなみに残りの2基はパロ空港のターミナルとティンプーの総合病院(JDWNR Hospital)にあるそうです。)
その帰路にバスにトラブルが発生して立ち往生しました。あの手この手でドライバーさんが修理を試みましたがなかなかうまく行かず、
根性を入れてとりあえず昼食場所のレストハウスまで約10kmの道のり(<National Highway です^^;。)を歩くことになりました。まさに本当のピクニックです。
レストハウスにたどり着いたのは16:00でした。かなり遅い昼食をとってクル(Khuru=ブータン式ダーツ)に興じていると無事に修理を終えたバスが迎えに来てくれました。
ロープでしばって応急処置をしてなんとか修理工場にたどり着いたようです。
ちなみにクルですが、数十メートル(<明確な基準はありません)の間隔で2枚の小さな板(40cm×10cmくらい)を地面に突き刺してこれを的として、
そして一方の的のあたりから他方の的めがけて矢(<ドライバーの先端の棒のしっぽにおもりを付けた感じ)を投げるゲームです。
矢は1人2本持ち、全員が2本を投げ終わってだれも命中しなければ全員が反対側の的に移動して、再び他方の的を目がけて矢を投げる、
これの繰り返しでだれかが的に命中させるまではゲームが続く、というものです。
ティンプーに戻ったのはもう真っ暗の20:40ごろでした。特にこの1日は早起き、発電所見学、ホンモノのピクニックと実り多かったです。
道標
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National High Way を歩く牛
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